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元興寺についてAbout Gangoji

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平城移建1300年元興寺

世界文化遺産、古都奈良の文化財

日本最初の本格的伽藍である法興寺(飛鳥寺)が
平城遷都にともなって、
蘇我氏寺から官大寺に性格を変え、
新築移転されたのが、元興寺
(佛法元興の場、聖教最初の地)です。

拝観案内

拝観案内

AM9:00~PM5:00(ただし入門はPM4:30まで)

大人500円(秋季特別展期間中600円)
中学生/高校生300円
小学生100円
20名以上団体400円(秋季特別展期間中540円)
身障者それぞれ半額
境内、飲食禁止

●ななまるカード(老春手帳)について
(特別展期間中、地蔵会・節分会等の年中行事の時はご利用頂けません)

駐車場

拝観者のみご利用いただけます
北門駐車場 大型バス2台(無料)
東門駐車場 乗用車10台 (無料)
8月22日~25日午前中、2月2日〜3日はご利用いただけません。

ご不明点があれば、お問い合わせください

お問い合わせはこちら

国宝、世界遺産について

国宝、世界遺産について

世界文化遺産「古都奈良の文化財」は8資産群からなっています。その中で元興寺は史跡元興寺極楽坊境内という狭い空間の、旧僧坊遺構である国宝極楽堂(極楽坊本堂)と国宝禅室(極楽坊禅室)が登録されています。また、東門は重要文化財に登録されています。この寺は、我国最初の本格的伽藍である飛鳥寺(法興寺)が平城遷都により新築移建された官大寺たる元興寺の極一部にすぎません。かつて平城京の東部外京に、興福寺と南北に接した大伽藍は、たび重なる罹災により姿を消し、この一画と史跡元興寺塔跡、史跡小塔院跡、そして寺に由来する奈良町の町名にかろうじて記録される程度となってしまいました。
この忘れ去られ様とした元興寺が世界文化遺産に登録されたのは、一重に戦後の文化財保護法による成果といえます。多くの人々が地道な調査研究を進め、国庫を中心とした多額の資金が注入され、保存事業が行われて、真正性(オーセンティシイ)が証明されたからなのです。
元興寺の所有する建造物、仏像の多くは文化財として指定を受けています。

主な建造物

  • 国宝 元興寺極楽堂(極楽坊本堂)
  • 国宝 元興寺禅室(極楽坊禅室・春日影向堂)
  • 国宝 五重小塔
  • 重要文化財 東門
  • 県指定文化財 小子坊(極楽院旧庫裡)
  • 茶室(泰楽軒)
  • 法輪館(第一収蔵庫・第二収蔵庫)
  • 都市景観形成指定 西室意楽庵(寺務所)
  • 北門

主な仏像

  • 重要文化財 板絵智光曼荼羅(※)、並びに智光曼荼羅舎利厨子
    (※秋季特別展期間中に特別公開します)
  • 県指定文化財 絹本智光曼荼羅
  • 重要文化財 木造阿弥陀如来坐像(禅定院多宝塔本尊)
  • 重要文化財 木造聖徳太子立像(十六才孝養像)
  • 重要文化財 木造弘法大師坐像
  • 県指定文化財 木造南無佛太子像(聖徳太子二才像)
  • 重要有形民俗文化財 元興寺庶民信仰資料 60,000余点
  • 市指定文化財 絹本著色弁才天坐像
  • 薬師如来坐像(西国薬師霊場五番)など

史跡

  • 元興寺極楽坊境内、元興寺僧坊、講堂の一部

元興神(ガゴゼ)について

元興神(ガゴゼ)について

その昔、元興寺の鐘楼に悪霊の変化である鬼が出て、都の人たちを随分こわがらせたことがあります。その頃、尾張国から雷の申し子である大力の童子が入寺し、この鬼の毛髪をはぎとって退治したという有名な説話があります。この話から、邪悪な鬼を退治する雷を神格化して、八雷神とか元興神と称することになり、鬼のような姿で表現するようになりました。元興寺にまつわる鬼のことをガゴゼとかガゴジとかガンゴなどの発音で呼ばれ、日本全国にも伝わっているようです。

最近余り見かけなくなったことだが、子供が舌を出し、目の下を指で押さえて、「アッカンベ」とか「ベッ」と言っておどける仕草がありました。鬼事(鬼ごっこ)の古い型で、ベカコは、メカゴー(目掻う)あるいは目赤子ともあるが、「ベカコ」「ベッカンコ」といい、「ベッガンゴ」から変化したものかもしれません。「ガンゴ」は「ガンゴウ」からきており、「ガゴジ」や「ガゴゼ」と同様に元興寺(がんごうじ)から生まれた鬼の言葉のようです。
淡路や徳島方面の古老によると、昔、泣き止まない子どもを論すのに、「ガゴジが来るぞ」とか「ガゴゼが来たよ」と言ったといい、元気の良い子供を「ガンゴ」とか「ガンボウ」と呼んだといいます。

近世の風物や習俗を解いた書物には、子供を威すのに「ガゴジ」、「ガゴゼ」と言って、目を見開き、口を大きく開けて、鬼の真似をすることがあったという。「ガゴゼ」というのは、昔、元興寺にいた鬼のことをいうので、「ガゴジ」(元興寺)といったが、後に寺方が「ガゴゼ」(元興神)というようになったと識しています。
狂言「清水(しみず)」の中で、太朗冠者が清水寺に代参するのを断わる理由として、「ガゴゼが出るから恐ろしくて行けません。」というセリフが今も残っています。
『大和名所図会』の元興寺の項には、「美しい女(おんな)を鬼ときく物を、元興寺(がごじ)にかまそというは寺(てら)の名」と言う狂歌が載せられています。
つまり、元興寺は寺の名よりも鬼の代名詞として浸透していたことが分かります。元興寺の鬼伝説は、「日本霊異記」の道場法師の話がその原型とされています。道場法師は雷の申し子として誕生し、大力となって朝廷の強力に勝ち、元興寺の鬼を退治し、寺田の引水に能力を発揮して功績を上げ、後に立派な法師となったという出世話です。ところが、この中で鬼退治の場面がクローズアップされ、唱導師が解釈を加えて、鬼事(春を迎えるおこない)と結び付けられていったのでしょう。元興寺では鬼を退治した道場法師を神格化して、「八雷神(やおいかづちのかみ)」とか「元興神」と称し、奇怪な鬼面を伝えています。農耕を助け、鬼を退治し、佛法を興隆した鬼神を象徴しているのでしょう。
古来、鬼は闇に隠れ、人を啖(くら)うものとされ、悪鬼邪気の象徴であり、追い払わなければ、春は来ないと言います。この鬼を退治するのに元興神のような鬼を超える鬼神(雷)の存在を想定したのです。元興神のような鬼の御礼や屋根の鬼瓦、「なまはげ」などは、人が避けなければならない恐ろしいもの(悪鬼)なのではなく、悪鬼が畏れる存在(善鬼)なのです。
悪鬼は指が3本とされる。三毒(貪欲・瞋恚・愚痴)の煩悩しかありません。智慧と慈悲という大切な2本の指を亡失したのです。鬼神のように活躍する人は、待望したいが似て非なる悪鬼の人は追い払わねば、春は来ないと言うことです。
いずれにしても、鬼は誰の中にも存在することも忘れないでいたいです。

1300年つづく、はじまりの地。
奈良の国宝・世界文化遺産。